現行のスーパーカブ110シリーズで各モデルの立ち位置

2022年3月時点で市販されているカブ110の5車種を性能やレビューから個人的に考察した記事です。スーパーカブ110MDは購入不可なので除外、スーパーカブ50シリーズも私の専門外なので除外とします。

スーパーカブ110シリーズに共通すること-長所と短所-

スーパーカブ110シリーズの長所は大まかに言って付き合いやすさだと思います。燃費がいいのでタンクが小さくても200kmくらい走行できる点もその一つです。クラッチが無い点に代表されますが、足つきがいいので乗るのが億劫になりにくいというのも付き合いやすさでしょう。車体が軽く引き起こしや押し歩きで悩むこともないし、小柄なので狭い場所でも何とかなります。それがカブの付き合いやすさです。

逆にパワーやスピード、急加速を求められる場面は不得意です。坂道やバイパスでクルマに煽られたりしても出せないものは出せません。「高性能なバイクを操っている自分かっこいい!」というような感覚を得たり、所有することによる満足感というのは他のバイクに一歩譲るところかと思います。

各車種の特徴について思うこと

ここからは各車種を個人的な偏見に基づいて見ていこうと思います。

スーパーカブC125

オンロードを遠出ツーリングするならこれが一番。

ギア比や最高速を見ているとこのC125が高速寄りの設定になっています。個人的に4000回転を越えるとカブのエンジンが五月蝿く感じ始めます。スーパーカブ110(JA44)なら45km/h超えたあたり。C125だと55km/hを越えた付近です。50km/hで走る場面が多いならC125の方が快適だと思います。乗ったことはないですが、パワーの強さ(9.8PS)もあって山道やバイパスでは一番力を発揮しそうです。

CT125

レジャーとオフロードは一番頼もしい、現代のハンターカブ。

排気量はC125と同じながら別のエンジンとなっています。このためエンジンの出力が少し違ってきます。C125のJA58Eは9.8PS/7500rpmで10N・m/6250rpm、CT125のJA55Eは8.8PS/7000rpmで11N・m/4500rpm。ようはCT125の方が低回転でトルクが強い=加速が強いってことです。エンジンだけの変更にとどまらず減速比も速度を落としてトルクを高めるようになっています。オフロードでの走破性を高めるためでしょう。さらにタンクとリアキャリアも大容量です。山道を長時間走ってもガス欠の心配が一番少なく、キャンプ用の道具もノーマルでたくさん積めます。一番アウトドア向きな子だと思います。

スーパーカブ110(JA44)

もっともスタンダード。便宜上ここではJA44と呼称。

ここから登場するスーパーカブ110、スーパーカブ110プロ、クロスカブ110、スーパーカブ110MDともに同じエンジンと同じ変速機を持った四つ子です。原付二種でザ・スーパーカブというべき存在。性能的にはJA44はクロスカブとカブプロの中間的な性質です。最小回転半径はカブプロと同じ2.0m、ウィンカーなどのスイッチ類はクロスカブと同じ模様。デザインや性能を見ていると、「業務で使うもよし、ファッションとして乗るのも良し」の立ち位置にいる車種だと感じています。「スーパーカブ」こそ買いたいというこだわりのある人が買うべきバイクだと思います。特にこだわりがなく、お金が十分に出せるならC125の方が長距離ツーリングに向いていると思います。

クロスカブ110(JA45)

レジャー向けカブ、CT125が出て方向性被ってるらしい。便宜クロスカブと呼称

カブプロとはかなり近い関係の車種。減速比だけを変えてトルク強化をしています。車体ではシート高を上げたり、ハンドルをアップハンドルとすることで長距離ツーリングでの運転しやすさを実現しています。最小回転半径が2.1mと小回りが若干ながら苦手だが、クロスカブに乗ってて2.1m以内で旋回しないといけない場面はそうそうないので無問題。レッグシールドがないのはオフロードではかえって邪魔になるからだと推測しています。装備やトルクなどはCT125に遅れを取るにしても、十分レジャーやキャンプの役目を果たせる車種でしょう。この5車種なかで買うなら一番間違いない車種だと思います。CT125はクロスカブより5万くらい高いので。

スーパーカブ110プロ(JA42)

業務用途、正直書くのが面倒、便宜上カブプロと呼称。

私はこの記事をツーリングとか、趣味でバイクに興味がある人に向けて書いています。業務用途なのでお勧めしない。迷うならいいからクロスカブかJA44を買え、余裕あるならC125かCT125にしろ。私のオススメでも頑として決心を買えようとしないなら、もう手遅れです。きっとその人はカブプロを買うでしょう。ツーリング用途でこいつを買うならその人は性根曲がってます。

無駄とは言え折角なので説明をしましょう。カブシリーズではタイヤ径が小さくシート高は一番低いです。発進性と小回りと乗り降りを良くしようとした結果でしょう(脚付きの良さではありません)。私は新聞配達をやっていた経験があるのですが、2時間の配達で22回のUターンと68回の乗り降りをします。一番狭いところだと幅2m無い路地裏でUターンする必要があり、乗り降りは素早くすればそれだけ配達時間を短縮できます。そういった事情を踏まえてこのデザインなのだと思います。

カブプロの特徴でフロントキャリアが着いている点とリアキャリアが大きいことが目に入りますが、私はあまり長所ではないと考えています。フロントキャリアはJA44でも市販品を着けることができます。またカブプロのキャリアは新聞配達に特化しているため後端が跳ね上がっていてものを積載するのに邪魔になります。そういう理由もあって純正だとJA44向けのホンダの出しているアクセサリーを着けれません。新聞配達向けだからストップアンドゴーも得意そうに思えますが、そうでもありません。配達では一速で結構引っ張ることが多いので、エンジンを保護のために一速でできるだけ広範囲の速度域をカバーするようになっています。なので加速はJA44よりも数値上では遅そうです。かといってC125ほど高速までカバーされていないのでやはり50km/h以上で走るとエンジンが五月蝿くなります。

小旋回と乗り降りがしやすいといいメリットはあれど、2分に一回はバイクから乗り降りして、6分に一回はUターンするツーリングはちょっと想像できません。カブプロはツーリングに向かないバイクというのが私の考えです。

総評

個人的なものですが、

スーパーカブ110がいてその上位互換にC125が
クロスカブ110がいてその上位互換にCT125がいる。

という気がします。スーパーカブ110プロは好きにしろ。とは言えバイクの使い方なんて所有者本人が自由に決めていいのでどのカブでどんなことをしようが自由ですからね。とりあえずスーパーカブ110プロを買うのは間違っています。

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