蒐集せよ!カブでダムカード第3次遠征

第2次遠征のあらすじ

第2次遠征は尾三地域~東広島~呉・広島のダムカード8枚を制覇しました。今回は北東方面、岡山県中部地域のダムを巡ります。
にしても1時間くらいで行ける近場のダムを行き尽くしてしまったのでなかなかたどり着けない。ダムカード集めしていると徐々に距離が長くなるので走行距離を伸ばしたい方にはダムカード集めはお勧めです。

1. 楢井ダム

福山からは吉備高原を越え、高梁川を越え、ループ橋を越えて3時間くらいでやっとたどり着くダムです。1996年完成の自然調節式の重力式コンクリートダム。総貯水容量が47万㎥しかないダムです。楢井ダムのような有効貯水容量が100万㎥以下で治水・利水効果が限られた地域のみのダムを「生活貯水池」というらしく、岡山県では楢井ダムが第一号とのこと。レンガ張りの管理所や堤体の柵の意匠などおしゃれに気を使っているダムという印象です。ダムカードは旭川ダムで受け取るので速やかに次のダムへ。

2. 竹谷ダム

2004年完成と楢井ダムよりは新しい自然調節式、総貯水容量50万㎥の生活貯水池の重力式コンクリートダムです。楢井ダムと比べると装飾がないので質素なイメージですが、ダムの案内板を見る限り親水公園や水車小屋など、施設は充実していると感じます。近くの県道を走っていると谷間からダムが顔をのぞかせるので、立地的には庄原ダムと親近感を感じる立地です。こちらもダムカードは旭川ダムでの配布となるので直ぐに次のダムへ。

3. 鳴滝ダム

1982年完成と少し古いの自然調節式の重力式コンクリートダムです。総貯水容量が168万㎥なのでここは生活貯水池ではありません。ダムの停滞付近は車やバイクでの乗り入れ禁止でダム自体が国立吉備青少年自然の家の内部にあるため、国道や県道から分かれてダム付近まで行くのに道がわかりにくいです。ダム直下へ行くルートもわからないためダムの全貌を真正面からとらえるのは少し難しそう。

特徴的なのは常用洪水吐で「半円越流堤」というあまり見かけない形の洪水吐を採用しています。「ダム周囲にある田園への影響を最小限とするために満水位を低くする必要があり、常用洪水吐は初期の方水量が大きい半円越流堤を採用している」とダムカードには記載があります。あふれたときに水位が上がりにくいのがメリットの用です。類例として滋賀県にある青土ダムが洪水吐から水が溢れたときにすぐに水を流して水位を上がりにくくする目的で近い構造の洪水吐を採用していたと思います。こちらのダムも無人のため旭川ダムにてカードを貰います。

4. 河平ダム

本日のダムカード蒐集ツーリングでは苫田ダム・苫田鞍部ダムと並んで最新のダムです。総貯水容量77万㎥の自然調節式の重力式コンクリートの生活貯水池のダムです。公園は整備されていますが、おしゃれな楢井ダムや施設が色々ある竹谷ダム、そのほかの特徴的な構造や歴史の古いダムと比べると……今日巡ったダムの中では一番地味な感じがします。新しい分綺麗ではあるんですが……。こちらのダムもやはり旭川ダムの管理所でダムカードを頂きます。

途中休憩・にのまえやにて

たまたま走ってた道の途中でXで見かけたお店があったので立ちよってみました。「にのまえや」さんです。二の前ということで屋号は漢数字の一を丸で囲ったなかなか面白い意匠です。何を売ってるのかも知らなかったのですが揚げピザのお店で、マルゲリータを注文すると巨大な揚げ餃子のようなものが出てきて戸惑いました。ピザを半分に折って揚げ餃子の様に揚げているのです。食べてみると中はマルゲリータでした。この日は天気がよく姫路の方からBMWのマスツーの方も来ていて混雑していました。

5. 旭川ダム

最新のダムの次は最古のダムです。1954年完成、岡山県管理のダムでは最古、巨大なラジアルゲート10門を備える巨人のような重力式コンクリートダムです。総貯水容量は5738万㎥と上記の4つのダムと比べると破格です。なおこの後巡る苫田ダムや湯原ダムはそれ以上の総貯水容量です。ダムが横に長いため小さく見えますが近づいてみると想像以上大きさです。ここで一気にダムカードを5枚獲得です。楢井ダム~河平ダムのダムカードを頂くには現地訪問の写真が必要となるのでお忘れなく。

6. 苫田鞍部ダム

なにこれ?ダムです。
苫田ダムの左岸部分に鞍部といって地形が馬の背に付ける鞍のように低くなっている箇所があり、満水時にそこから水が溢れないように堤体を作って防いでいます。その堤体が苫田鞍部ダムです。このような鞍部からの越流を防ぐ鞍部ダムが存在するダムはいくつかあって、中国地方では菅沢ダムにも同じように鞍部ダムが存在したと思います。
特徴的なのはその形式で「表面遮水壁ロックフィルダム」というロックフィルダムのレアタイプです。ロックフィルダムは通常コアという水を通さない地質の層を堤体の中心に作るのですが、そのような建材がダム周囲から得られないため、堤体の貯水池側にコンクリートを打設して水が漏れないように作っています。この形式のダムは苫田鞍部ダム以外私は見たことがないです。ダムカードは苫田ダムにて配布中です。
下の写真は建設中の安威川ダム。中央に見えるのがコアです。

DSC_0119.JPG

7. 苫田ダム

2005年完成の直線重力式コンクリートダムです。意欲的な様々な最新の構造が取り入れられている点で極めて興味深いダムです。先ほどの苫田鞍部ダムの表面遮水壁ロックフィルダムもその一つです。洪水吐がラビリンス型自由越流頂というV字型にジグザグした方式を国内の重力式コンクリートダムでは初採用しています。メリットは水路単体あたりの放流量が大きいことのようで、上記の鳴滝ダムの洪水吐とも近しい機能があるように思います。

続けて世界初となる引張ラジアルゲートの採用です。ラジアルゲートは貯水池側が面で開閉の中心となるピン側が下流になるように圧縮の力を受けるように設置されますが、鋼材の特徴的として圧縮に耐える強度よりも引っ張られる方が強いので、通常のラジアルゲートとは逆の向きに設置されています。ラジアルゲート自体の軽量化とコスト再現などのメリットがあるようです。

スマホスタンドが堤体上に設置されているのが、気を引きました。資料館を含め全体的に直線的なデザインで少し近未来的な感じがします。

7. 湯原ダム

本日最後で岡山県大、完成は旭川ダムの翌年の1955年、湯原ダムです。苫田ダムからは直線距離で黒木ダムと同距離にありツーリング苫田ダムを発つまでは次は黒木ダムに訪問の予定でした。現地に行ってみて実際には湯原ダムの方が数百メートル近いようなのでこちらを本日最後のダムとしました。
しかし苫田ダムから湯原ダムまでは最短経路は高速道路、カブは当然通れず、下道で最短のどの県道も冬期通行止めで通れず、林道に突っ込んでみてもやはり通れず、最終的に国道179号->人形峠->鳥取県三朝町->国道482号->津黒高原->国道313号という鳥取県経由の大迂回を強いられて1時間半かかって到着しました。これなら黒木ダムにしとくんでした。ダム到着は1650と配布時間ギリギリでなんとか獲得です。ダム直下には湯原温泉とその露天風呂もあり、泊まって行きたい気持ちに駆られつつも自宅へ帰りました。

あとがき

帰り道はカブで3時間、しかも途中でガス欠してバイクを1時間押す羽目に。途中で親切な地元の人に数百mLだけガソリンを頂けたので最寄りのガソリンスタンドに急行して補給しました。助けて頂いた方ありがとうございます。

5時間近くかかってようやく帰宅しました。今回は8枚+1枚の記念カードを獲得です。
次回の4月のツーリングでは岡山県北西部のダムを集めたいところです。

これで中国地方のダムカードは84枚中25枚獲得となります。
コンプリートまでは残り59枚、増車までの道のりは遠いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました